メディアで扱いが少ないけど面白い、お節介だけど人に教えたいマンガの魅力をお伝えします。
1回目は月刊漫画雑誌『ハルタ』で連載中の『ふしぎの国のバード』。
イギリス人女性冒険家イザベラ・バードが明治維新直後の日本を、通訳ガイドの伊藤鶴吉と旅をする物語です。
当時まだ、外国人が訪れたことのない未開の土地に足を踏み入れ、日本独特の風習や風俗に
ある時は困惑し、ある時は魅了され、古き良き日本の姿を日誌に記録してゆきます。
実在の人物イザベラ・バードの旅行記「日本紀行」を基にしているそうです。
日本人の私でも知らなかった日本の姿がありありと表現されていてとても興味深いです。
例えば、温泉。
混浴です。男も女も素っ裸で何も気にしない。
習慣だから何も感じないようです。
作者は佐々大河さん。
本作がデビュー作だそうです。
緻密な画風とイザベラと伊藤“イト”とのコミカルな関係の描き方が上手だと思いました。
もう一点、面白ポイントは、現地の日本人の言葉の表現です。
イザベラとイトとの会話は英語で、漫画上当然日本語で表現されていますが、イザベラには日本語は理解できません。
日本人のセリフは、当時の言葉を書き文字で表現されていて、イザベラの感じる日本語を上手く表現していると思います。
江戸時代の書物の文章のような感じです。
一見すると日本語に見えませんが、よーく見てみるとひらがなが見えてきます。
最近、ちょっと読めるようになりました(笑)
不定期連載らしく、コミックもなかなか発売されず、忘れたときに新刊が出てたっていう事が良くあります。
2021年1月現在、第七巻まで発売されています。
旅はまだまだ道半ば。
北海道、当時の蝦夷の旅、アイヌとの遭遇もあるのでしょうか。
時代的に『ゴールデンカムイ』ともダブってきそうで楽しみです。
ぜひ、一度手に取ってみてください。
最後まで拙文をお読みいただき、ありがとうございました。